メタボローム解析の実例
当研究所のメタボローム解析法で化学診断した症例の一部
| 症例 | 化学診断名 | 化学診断時の 患者年齢 |
尿・血清到着から 結果報告までの時間(日数) |
|---|---|---|---|
| 1 | プロピオン酸血症 | 5生日 | 3日 |
| 2 | プロピオン酸血症 | 6生日 | 2日 |
| 3 | ホモシスチン尿症Ⅰ型 | 36歳 | 1日 |
| 4 | ピルビン酸脱水素酵素欠損症 |
5生日 | 3日 |
| 5 | ピルビン酸脱水素酵素欠損症 |
1生日 | 1日 |
| 6 | カルバミルリン酸合成酵素欠損症 | 4生日 | 1日 |
| 7 | カルバミルリン酸合成酵素欠損症 | 2生日 | 1日 |
| 8 | カルバミルリン酸合成酵素欠損症 | 3生日 | 3時間 |
| 9 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 5生日 | 2日 |
| 10 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 5生日 | 2日 |
| 11 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 5生日 | 2日 |
| 12 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 4生日 | 2日 |
| 13 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 3歳 | 1週間以上 |
| 14 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 3生月 | 1日 |
| 15 | β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症 | 1Y7M | 2日 |
| 16 | 原発性高蓚酸血症Ⅱ型 | 4歳 | 2日 |
| 17 | 原発性高蓚酸血症Ⅱ型 | 7歳 | 2日 |
| 18 | 原発性高蓚酸血症Ⅱ型 | 51歳 | 4時間 |
| 19 | 原発性高蓚酸血症Ⅰ型 | 17歳 | 4時間 |
| 20 | 原発性高蓚酸血症Ⅰ型 | 16歳 | 5時間 |
| 21 | 原発性高蓚酸血症Ⅰ型 | 15歳 | 5時間 |
| 22 | 原発性高蓚酸血症Ⅰ型 | 14歳 | 5時間 |
| 23 | 2,8-ジヒドロキシアデニン結石症 | 28歳 | 3日 |
| 24 | 2,8-ジヒドロキシアデニン結石症 | 66歳 | 2日 |
| 25 | 2,8-ジヒドロキシアデニン結石症 | 47歳 | 1日 |
| 26 | シスチン尿症 | 1生月 | 1日 |
| 27 | シスチン尿症 | 5歳 | 3日 |
| 28 | シスチン尿症 | 3歳 | 2日 |
| 29 | シトリン欠損症 (成人型シトルリン血症Ⅱ型) |
39歳 | 4時間 |
| 30 | アルカプトン尿症 | 52歳 | 4時間 |
①プロピオン酸血症は1977年の第1例から30例以上。日本人に多い軽症型でも確定度は特別に高い。遺伝子解析した全例で変異を認めた。軽症型のモニタリングも行っている。メチルマロン酸血症も第1例が1978年で40例以上、チロシン症、メープルシロップ尿症、イソ吉草酸血症など多種の有機酸血症を1970年代から化学診断してきた。②カルバミルリン酸合成酵素欠損症やOTC欠損症などの高アンモニア血症の確定度は国内外の現行法より著しく高く、スクリーニングと確認検査を兼ね、迅速診断に必須。③原発性高蓚酸血症Ⅰ型、Ⅱ型、2,8-ジヒドロキシアデニン結石症、シスチン尿症は結石症に紛れている疾患で、早期発見により血液透析や腎移植がいらなくなる、血液透析の時期を遅らせうる、肝・腎移植の効果を高めうる等の大きな利点がある。結石症の一次スクリーニングとして活用されることが望まれる。④アルカプトン尿症は関節炎に紛れている疾患。⑤ピリミジン代謝異常症のβ-ウレイドプロピオナーゼ欠損症はその後に遺伝子解析した全例で変異を認めた。⑥症例3と症例30以外は遺伝子解析がなされ、全例変異を認めた。
